未経験でもWebデザイナーになれる?のか議論について
最初に結論から言えば『誰でもWebデザイナーになれます!!』
Youtubeの広告で目にする『誰でもWebデザイナーになれます!』は本当なのか?
最初に結論から言えば『誰でもWebデザイナーになれます!!』
ですが。。。誰でも”食べていけるWebデザイナー”にはなれません。。。
まずは、なぜ『誰でもなれる』と言ったのかご説明をいたします。
1,特定の資格や免許は不要!
医者や弁護士のように難しい資格もなく、免許もありません。ですので、『よし!今日からWebデザイナーを名乗ろう!』と急に言っても誰からも咎められることはありません。
2,そこそこのPCスペックで十分!
スペックが高いに越した事はありませんが、普通にネットが使える最近のPCであればある程度は作業が可能です。
3,事務所も不要です!
このご時世ですので、基本的に自宅で作業可能です。打ち合わせもオンラインで済ませれば完全リモートワークも可能です。
もっと他にもたくさんの理由が考えられますが、基本的に上記の条件はどんな人でもクリアできるのではないでしょうか?以上のような理由で誰でもWebデザイナーになる事ができるという理由です。
じゃあ誰でも仕事に困らないデザイナーになれるの!?
しかし、ある日突然Webデザイナーになった人に仕事はあるでしょうか?サイト制作の案件、案件によっては数百万円単位の仕事になります。 もちろん10万円程度のものも多くありますが、基本的には案件単価の高い仕事になります。 そのような金額の大きな仕事を経験や実績の無い人に任せるというのは、クライアント側にとっても大きなリスクがあります。 実際のケースでサイトが完成しなかったり案件を途中で投げ出したり、エラーだらけのサイトになってしまったなど、頻繁に耳にします。 おかしな話ですが、最初の案件を獲得するには実案件の実績が必須です。 矛盾していますが、デモで作った架空のサイトでは中々クライアントに認められる事はないでしょう。 つまりは、最初の3~4案件は1万円とかタダで知り合いのサイトなどを制作して、とにかく実績を作る事が必要かもしれません。
情報を鵜呑みにしたらダメ
実際にANDLOGICにも毎日のように協業して欲しいという趣旨のメールが頻繁に届きます。 内容はほとんど同じで、どこかのテンプレートを使用して、これまでの経歴や学歴、使用可能言語や対応可能時間など、どれを取ってみても瓜二つの文章が毎日のように届きます。 『連絡は4時間以内に必ず返信します』とか社会人であれば当前です。 実績も同じ舞台のデモサイトや架空の旅館のデモサイト、TOPページには『お客様のご要望に沿ったホームページを制作します』というようなキャッチコピーで似たり寄ったりのメールが届きます。 ご要望に沿って目的が達成できるなら誰も苦労はしません。 要望はあくまで要望であり、正しい戦略立案とそれに応じたクリエイティブや広告など、いわゆる打算の部分を提案できなければ、デザイナーではなくただのオペレーターです。
メールをいただいた皆様には申し訳ないのですが、恐らくデザイナーが自分で考えて行動できないのであれば、そもそも向いてないかと思います。 デザイナーの仕事はただただ、一日中PCに向かってキーボードをカタカタする仕事ではありません。PCはあくまで世の中にアウトプットするためのツールで本質は頭の中にあり、クライアント以上に思考・検証し最終的にアウトプットする事が本来の仕事です。さらに実制作の現場では、社会常識、営業力、コミュニケーション能力など当たり前ですが、デザイン力やコーディングの技術以外も非常に重要です。 さらにはブランディングを行う上では、マーケティングの知識など幅広い豊富なスキルが必要です。 一つのスキルだけで勝負したいと思うのであれば、右に出るものが居ないほど圧倒的な誰もが唸るようなスキルとパフォーマンスが必要です。 ですので、デザイナーとして仕事をもらうには、『色々な所にテンプレート化したメールを送りましょう!!!』のような事を鵜呑みにせずに、どうしたら相手に響くか、どうしたらメールを最後まで読んでもらえるか、どうしたら作品を見てもらえるかなどの自分なりの工夫とそれに見合った実力が必要です。
実際、実案件でも同じような事を考える必要があります。 例えばチラシの場合、どうしたらチラシを手に取ってもらえるか、どうしたら最後まで見てもらえるか、どうしたら問い合わせに繋がるかなど、何年もデザインの仕事をしていてもお客様の条件はそれぞれで、その都度思考し、戦略を練る必要があるのです。
げる仕事と認識しているのなら注意が必要です。 仕事を受注するだけでも、非常に大変ですが実際は受注してからが本来の業務です。
戦略立案→デザイン制作→コーディング→広告→運用など
細かな部分は割愛しますが、多くの時間が必要ですし、サイトに使用する画像などの素材がなければ写真や動画撮影もあり、小規模なサイトの制作でもきちんとしたものを提供しようとすると多くの時間が必要です。 私自身も平均して20件前後の大小のデザイン案件を同時制作しておりますので、基本的に日中は打ち合わせなどの時間に使用し、夜中に制作を進める事が多いです。 ここ数年は365日中350日は夜中の2時くらいまで仕事をしており、盆正月もPCは手放せません。 もしサンタさんからクリスマスプレゼントをもらえるなら寝なくても良い身体をもらいたいと思います。 しかし私はこの生活に満足すら感じています。 それは結局デザインやクリエイティブな事が好きだからだと思います。 『好きこそ物の上手なれ』という通り子供の頃から家でも授業中でも絵ばっかり描いていた子供でしたからクリエイティブを生み出す事に何ら苦を感じる事はありません。 こういう一般的に見ると異常なメンタルやモチベーションを維持する事を習慣化し、私のようにベッドやソファーよりも『デスクの前が一番落ち着く』という所まで持っていければ、すごく楽になると思います。 少し極端な例かもしれませんが、本気でフリーランスでデザイナーをやろうと思うのであれば、こういう生活を最低でも5年はする覚悟をした方がいいかもしれません。 成果が出せなければ10年レベルだと思います。
ここまで読んでも、デザインを頑張りたいという方にオススメの勉強方法3選
1,本を読んで理論武装
独立した直後私が実践した事はまずamazonで10万円分の大量のデザイン本を読みあさり、ノートにメモを取り、ネットで気になる所を徹底的に調べ上げ『理論武装』を行いました。 あくまで知識は知識でしか無いので、武器にはなりませんが常識として必要ですので、まずはこの方法をオススメします。 私自身はデザイン系の高校・大学と合わせて7年学び、大学時代は大学に泊まって作品を作ったりして、それなりに頑張ってきたつもりですが、それでも不十分な所を身に付けようと本の虫になっていました。
2,ポートフォリオを作る
ポートフォリオは自身の力量を見せるために非常に重要なツールです。 むしろポートフォリオさえ良ければ仕事はもらえます。 人脈などで仕事を受注する方法もありますが、デザイン力以外の方法で制作を進めた場合、 恐らく『修正の嵐』ですのでロクな実績は作れない可能性大ですのでご注意ください。 またポートフォリオの作り方はまた別の機会にご紹介いたします。
3,何を言った所で実践!!
どうにか最初の仕事にありつけた時には、その案件に対して世界中の誰よりも真剣に四六時中考えて、持てる限りの力でデザインをしてください。 極端な話、最初の3~4件くらいの仕事はノーギャラでやるくらいの覚悟は必要です。先ほどポートフォリオを作るという話をしましたが、基本的に実案件以外は実績では無いです。 ANDLOGICでも送られてきたポートフォリオは実案件のものしか見ていません。 最初のうちはデモサイトでスキルをアピールする事しかできませんが、少しずつ実案件の実績を積み重ねて本物のポートフォリオを作ってください。1、2に関してはあくまで『学習』で3からようやく『勉強』という事になるかと思いますので、粘り強く頑張ってください。
最後に
ここまですごくリアルな話をしてきましたが、なぜこのような記事を書いたかというと『誰でもデザイナーになれます!!』という甘い言葉に誘われそうな方に一度我に返って欲しいという思いで筆を取らせてもらいましたが、学生時代にバイトをしていた時に同じバイト仲間に30代のフリーランスデザイナー兼アルバイトという方がいらっしゃいましたが、30過ぎてもアルバイトを掛け持ちしながら寝ずに働いていたりと、とても苦労されていたのを今でもよく覚えています。 一見きらびやかでカッコイイ仕事のイメージのあるデザイナーですが、かなり泥臭い要素も多く、 楽してコタツに座って高収入みたいなことが出来る人は、ごくごく一部の『超天才』か『有り余るとんでもないコネクション』を持っている方々だと思います。 基本的には何歳でも本気でやればできない事はないとは思いますが、その職業につくために学生時代から必死に努力してきた人達がライバルであり、日本中に数ええられないほどたくさん居て、あなたが寝ている間に必死に制作をしているかもしれないという事を心に留めて、これからの決断をする方がいいかもしれません。